2021,05,10, Monday
「他人」と「他者」の違いは…
おはようございます。 今月の学校だよりに、「他人」と「他者」の違いについて書きました。これは主に皆さんの保護者の方に向けて書いたものでしたが、今日は中学生の皆さんの立場でも少し考えて頂きたいのでこのことをお話しします。 作家で演出家のこう鴻かみ上しようじ尚史さんは、「『他人』とは、自分とはまったく関係のない人」、「『他者』とは、自分にとって受け入れるのは難しいが、受け入れなければならない人」、あるいは「受け入れたいけれど、受け入れたくない人」だと言っています。 何だか矛盾した言い回しで少し分かりにくいかもしれませんね…。 皆さんにとって、お母さんやお父さんはどんな存在ですか? ご両親の存在は、鴻上さんの言う「他人」ではないですね。 皆さんにとってご両親は大切な存在ですし、皆さんに対していつも愛情をもって接してくれているはずです。 小さい頃は、お母さんやお父さんの言うことは100%絶対の真実だと感じていた人もいるかもしれません。 でも今はどうでしょう?時には、ご両親の言うことに反発したり、素直に従えないこともあるかもしれません。 そんな時、皆さんには「受け入れたいけど、受け入れたくない」という心の葛藤があるはずです。 自分のためを思って言ってくれていることは分かりつつ、でもなかなか素直に受け入れられないこともあるでしよう。 つまり、お母さんやお父さんは、「他者」として存在しているのです。 「批判的に」ものごとを見ると言うことは、皆さんの成長過程でとても大切なことだと思います。 でもそれは周りの大人に感情的に反発したり、聞く耳をもたないこととは違います。 「他者」とよい関係をつくるためには、自分の意見や考えを粘り強く相手に伝えて理解してもらおうと努力することが必要です。 自分から相手との関係を簡単に断ち切ってしまうことは避けなければなりません。 たとえ簡単に折り合いがつかなくても、双方の話し合いによってよりよい解決策や納得できる着地点を探すことが大切です。 学校生活の中でも、自分と異なる意見や考えをもつ友達に対して、100か0かではなく粘り強くお互いに理解し合う努力を続けること、分かり合う努力を惜しまないことがとても大切です。 自分と友達が、お互いに「他者」としてリスペクトし合う認め合うことができたら本当に素晴らしいと思います。 そのための努力を今日から始めてみましょう! 校長 吉原 健
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